井上靖の初期の作品『通夜の客』に、「駱駝の瘤」のことが書かれている。伯備線上石見駅から曽根の家に向けて歩いた二つの峠のことをそう表現している。
その案内看板が「野分の会」によって設置されたとのことで道すがら立ち寄ってみる。
私も二度歩いてみた。何のことはない、ただ普通の山道だけれど、疎開の道となると、どうしても空襲や戦争のことを考えながら歩くことになる。
いま起こっている東日本大震災による避難生活のことにも重なってしまう。疎開にいいことなどないのである。あるのはただ元の生活に早く戻りたいということだけである。
そうです。避難生活、疎開に「いわゆる よいこと」はないです。本当に、早く元の生活に帰りたいが心情でしょう。おっしゃる通りです。