2泊3日の沖縄ノート

去る6月2日から4日まで、日南町議会は全議員で沖縄県に行政調査に出かけた。

私も行政調査特別委員会の副委員長として、「是非とも沖縄に」と提案した。

それは、来年戦後70年の節目であるし渦中の「集団的自衛権」なる憲法解釈の変更問題や、在日米軍とその周辺で暮らす人たちの実態を知るのには、沖縄がいちばんいいと考えたからである。

米子からスカイマークの那覇直行便ができたので、午前中には沖縄に着くという便利さもある。

宜野湾市の普天間基地にはオスプレイが配備されている。

ちょうど昼食の時間帯だったので離着陸するところは見なかったが、5月23日には在日米軍岩国基地にも3機飛来している。

その岩国基地は、低空飛行訓練が常態化し、爆音被害を続けており、低空飛行「ブラウン・エリア567」監視隊では監視活動を行っている。

宜野湾市の市役所には、「反核・軍縮平和宣言都市」の看板が。
そういえば、4年前の沖縄知事選の出馬された伊波洋一さんもかつて市長だったのだが、今は佐喜眞市長に変わっている。

そもそも沖縄の米軍基地は、戦時下での私有財産没収を禁じた国際条約「ハーグ陸戦法規」に違反して強奪接収されたものである。

沖縄に駐留する海兵隊はアフガン、イラクへの侵略戦争に参加した殴り込み部隊であり「抑止力にならないことは沖縄の人たちは分かっている。

国土の0・6%しかない沖縄に国内の米軍専用基地の74%が集中し、墜落事故や騒音、米兵犯罪などが県民を苦しめている沖縄にとって、「世界一危険」な普天間基地を辺野古など県内に移設しても、県民の安全は守られず、普天間基地に本格的に配備されたオスプレイが、県民をさらに苦しめるのは明白だ。

埋め立てや基地建設が海洋を破壊し、希少なジュゴンやウミガメなどの生育環境を脅かすことも重大です。県民を苦しめ、自然を破壊する新基地建設の企ては絶対に許されない。

6月3日、名護市役所を訪問する前に辺野古にある米軍基地キャンプシュワブと、あらたな基地を作ろうとしている辺野古の海を視察した。

初めて訪れた名護市役所は、若い職員さんも多く基地問題とは裏腹に不思議な明るさを感じた。

名護市では、おもに平和学習について聞き取りを行う。

稲嶺市長は、今回の行政調査に同行された増原日南町長や村上議長の表敬訪問を市長室で受けられ、先に訪米して基地問題を訴えられたことについて話された。

沖縄の地上戦についてしっかり刻まれた沖縄県平和祈念資料館と平和の礎を視察。
もうすぐ6月23日の「慰霊の日」がやってくる。

実は、終戦の年のこの日に神戸市の御影第一第二の国民学校の子供たちが空襲から逃れるために学童集団疎開で日南町の上石見駅に降り立っているのだから、なんともやるせない。

ガジュマルの木を見ると、井上ひさしの遺作「木の上の軍隊」につながる。

沖縄を知るには2泊3日はあまりにも短すぎたが、あらためて基地がなくなればどれだけ平和で豊かなくらしが広がるだろうかと青い海と空を見ながら痛感した。