ありをりはべりいまそかり

このごろほとんど、『源氏物語』にココロが傾いていたのは、ほかでもない。ゲンジモノガタリととっても深い関係にある池田亀鑑のことを研究していたからだ。

さて、きょうのしんぶん「赤旗」の学問・文化欄には、その源氏物語の全訳刊行へと向かう作家、林望さんが登場している。

2012年までの2年をかけて、全10巻を刊行するとのこと。

この17日には、林望著『謹訳 源氏物語』(祥伝社)の第1巻が刊行されるらしい。

さて、『謹訳』ということばをわたしは知らなかった。おそらく謹んで翻訳します、ということではないかとは思うのだが、謹むとは、原文に実直に向かい合うとのこと。

氏はいう。「人間の愛と孤独の実相をこれほど鮮やかに描き出した物語がほかにあったでしょうか」と。

また、「『源氏物語』に触れることで、若い人たちに、この国の素晴らしい文化や自然を愛する気持ちを持ってほしい。日の丸揚げたり、君が代歌わせたり、そういうことで愛国心が養えるとは思いません」と。

さてさて、誰の訳から読み始めようかと思案橋に立ったままで、源氏物語の読みは一向に深まらない春なのだ。

こんなことなら、もっと古典をマジメに学んでいたら、と悔やんだりもする。

まぁ、今度の土曜日に、池田亀鑑と源氏物語について手ほどきしていただくので、焦らなくてもいいとも思っている。