12月の星座となる

来年歿後20年となる作家の井上靖が「11月の星が…夜空一面にかか」って北国の、生誕の地旭川のことだと思うのだけれど、「星の植民地」と表現していたが、とうとう今年もあとひと月となった。

星は、12月の方がもっといい光になるのだろうが、なんだか気ぜわしくなるのがちょっと困る。

或る新聞というか、しんぶん「赤旗」の日刊紙(11月29日)なんだけれど読んでいたら、『朝の風』という小さな囲み記事なのだけれど、いつも目を通すのだけれど、「世界平和アピール七人委員会」が、発足55周年の講演会を開催したということから、

「あぁそういえば、井上靖も日本ペンクラブの会長を務めていたころからずっと亡くなるまでこの、「世界平和アピール七人委員会」の委員だっよなぁ」と思い出し、

井上靖の命日は1月29日だけれども大雪が降ったら出かけにくいということで、つい先日28日に井上靖文学碑で小さな碑前祭を、氏の大好物だったぼた餅をお供えして、碑文をみんなで朗読して、「天体の植民地」のことを考えながら、

井上靖の初期の短編『野を分ける風』を読み合わせて、

井上靖が好んで使った「野分の風」は、悲恋というか愛を。星とか天体とかの「植民地」は、平和というか非戦というか、そんな井上世界ではなかったのだろうかと解釈している。つまり愛と平和を求めつづけた作家という感じに。