井上靖文学碑のトイレ改修工事がほぼ完成したらしいので、出かけてみる。
野分の風はまだ吹かない、どこまでも青い空が天体まで届いているいい天気。「野分の館」というと『源氏物語』の「野分」を想起するのだけれど、まぁそれはさておいて。
改修された「お手洗い」。
そういえば、『源氏物語』研究の第一人者の池田亀鑑さんが、便所というかお手洗いというかトイレというか厠というか雪隠というか、とにかく清潔にしておこうと『花を折る』に書いていたようなことを想起する。
井上靖文学碑のすぐ横には、そばの花が薄紫の実をつけかけている。
展示写真の中から大江健三郎や
水上勉などと一緒に写っているものを。
写真左の色紙は、井上靖文学碑の碑文。
館内には、いつもその時々の野の花が活けられている。吾亦紅と薄がいい。
もとより都会の喧騒など無い町ではあるが、ぐちゃぐちゃの政治のことからちょっと静かに文化芸術したいときには立ち寄ることにしているから、私にとっては「こころの裏口」みたいな感じです。
井上靖は「世界平和アピール七人委員会」のメンバーだったよなぁ…、と想起しながら。