もし今度戦争したら、もうどこにも疎開するところなんてない

きのうは、日南町美術館でミニライブコンサートをやった。
楽器って毎日少しの時間でいいから弾いていないと指が動かないし、
歌もそれなりに口づさんでいないとうまく歌えない。
でも、「久代安敏とひのリバーサイド」は、一日復活ライブに挑戦した。
実に24年ぶりにである。


(撮影 日南町企画課 池原宏治氏)

写真の子どもたちは、2001年初演の「そばの花?ある学童疎開の子どもたち」の挿入歌を一緒に歌った。

歌詞は、こんな感じだ。

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
いつまでつづくこの戦争
どこまでつづくこの線路
帰るあてない学童疎開
片道切符の汽車に乗る

お客様にご案内申し上げます。この列車は昭和二十年六月二十三日、東海道本線京都発岡山行き下り普通列車三二三号です。終点岡山には十一時二十分到着の予定です。次は灘、次は灘。

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
手紙書きますお母さま
あとをよろしくお兄さま
涙かくして手をふる駅の
プラットホームは雨の中

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
長いトンネル闇の中
防空壕にいるみたい
いつになったら抜け出るか
走りつづけてどこへ行く

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
焼けてしまった荷物の隅で
笑って死んでたお人形
ゴムマリお手玉いっしょに行こう
はなればなれはいやだから

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
峠の長いトンネルを
ぬけて谷間の駅につく
初めて降り立つプラットホーム
ふるえる肩とすくむ足

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
待合室は人の波
駅前広場は日章旗の波
御国のために今日からみんな
なかよくしよう たたかおう

ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
ガタゴトギシギシ ダッシュッシュー
女はみんなタスキがけ
男はみんな生命がけ
子どもはみんな声かけ合って
ガケに立ってる日本を守る

作詞 久代安敏
作曲 鳥取令子

当時の小学校は、国民学校。
日南町には、神戸市の御影第一第二国民学校から50名の子どもたちが学童疎開をした。
学童集団疎開50万人、縁故疎開50万人といわれている。

さて、もし今戦争がおきたら、日本中もうどこにも疎開するところなんてないのだ、ということを感じてもらえれば、と書いた台本の挿入歌である。